家は材料の製造・加工→建設とつくられ、長い年月を経て解体されます。その一連の流れの中で発生する製造エネルギーは、木が他素材に比べ格段に少ないのです。さらに海外の木を輸入する場合に比べ、国内の木をそのまま製材する場合のほうが輸送により生じるエネルギーも少ないです。このエネルギーの違いが、家をつくるコストにも、地球環境にも大きな影響を与えています。
木以外の材料(コンクリートや鉄骨等)は、二酸化炭素を出す化石資源を燃料としてつくられます。木はそれらの材料に比べ加工時のエネルギー消費量と炭酸がスの放出量が少なく、建築資材をつくるためのエネルギ-を炭酸放出量で比べてみると、1G当たり、鋼材では5,320kg、アルミニウムでは22,000kg 。それに対して木材製品は15~200kg程度。製造エネルギーが少なく、木材は環境にも不可をかけない省エネルギーな原料です。
木は成長する過程で、大気中の二酸化炭素(CO2)を取り込みます。炭素は木に固定され、木材になっても木に固定されたまま、放出はしません。木造の家は炭素を閉じ込めた第2の森です。
木はきちんと管理されたもとで、成長し、木材資源となり、家になり、いいものは100年利用され、解体され、さらに再利用やリサイクルされ、その後燃やされますがトータルでCO2はふえません。その間にも伐採された森林跡地に植林された木は成長し、先に伐採された木が一連の働きを終えるころに、新たな役につきます。理想的な循環系がここにあります。
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